入門講義

1.目的

日本文化学、国際関係論、言語学など専門分野をやさしく解説する入門講義形式で授業を行い、日本語運用能力を高め、日本を理解するのを助ける。日本人学生を対象とした学部や大学院の講義への橋渡しとして、またさらに専門を深めていくための導入教育として位置づけている。

2.受講資格及び開講期間

講義はすべて日本語で行っているため、日本語能力試験2級程度の日本語力を備えていることが条件となる。開講期間は標準コースと同様である。

3.開講クラス

入門講義では、国際関係論、日本文化論、言語学、日本語学・日本語教育学のあわせて4つの科目を開設する。各科目の内容は以下の通りである。

(1)日本文化論 I 、 II (JC100,JC200)

○日本文化論 I (10月〜1月)

 この講義では、日本の家族や学校をめぐる最近の問題を取りあげ、受講者の出身国の事例と比較しながら、日本の社会や文化の特徴を議論していく。日本で問題となっている社会現象を自国のケースと引き合わせて考えることで、日本に対する理解を深めるのがこの授業のねらいである。
 取りあげるトピックは以下の通りである。
1)映画「毎日が夏休み」に見る新しい家族像、2)夫婦別姓と国際結婚、3)いじめと不登校、4)フリータ−と「だめ連」、5)田舎の生活

○日本文化論 II (4月〜7月)

 日本人にとって、韓国は「似ている」ようでどこかが「違う」、ちょっと気になる国である。この講義では、日本人が韓国の社会や文化のどこに違和感や共感を抱くのかを吟味し、韓国という<鏡>に映った日本人の自画像を議論していく。韓国を比較の対象とすることで、日本を東アジア漢文化圏のなかに位置付ける、広い視野を獲得するのがこの授業のねらいである。
 取りあげるトピックは以下の通りである。
1)日本人の韓国体験記を読む、2)激しい受験戦争と母の祈り、3)子どもと向き合う韓国の父親、4)現代に生きる儒教精神、5)占いと巫俗信仰、6)在日コリアンと日本社会

(2)言語学 I 、 II (GL100,GL200)

○言語学 I (10月〜1月)

主に現代日本語を素材として、言語学の基本的な知識・考え方を身につけることを目指す。まず、言語学の基本的な考え方を、日常見られる言葉に対する見方と比較して論じる。また、人間の言葉の一般的特徴を、他の動物のコミュニケーションの手段と比較して検討する。さらに、言葉の意味(意味論)、言葉と社会(社会言語学)、世界の言語と日本語(言語類型論)などのトピックについて基本的なことを学ぶ。

○言語学 II (4月〜7月)

言語学の一分野である意味論について学ぶ。意味研究の重要性、言語の意味に対する考え方、意味分析の資料などの基本的な事柄について理解したうえで、特に現代日本語を素材として、類義表現・多義表現などの分析方法を学び、自ら分析できるようになることを目指す。認知意味論の基本的な考え方についても解説する。

(3)日本語学・日本語教育学 I 、 II (TJ100,TJ200)

 本講義では、日本語教育で主に問題となる文法項目を取りあげ、整理・検討することによって、文法の基本的知識を身に付けることを目標とする。毎回、簡単な課題を取りあげ、みんなで考える時間を設ける。そのため、受講者の積極的な参加が要求される。
 また、本講義では日本語教育の基礎的知識を身に付けることももう一つの目標としている。日本語教育の現状を概観し、コース・デザイン、教材、4技能の指導法、誤用分析などを紹介する予定である。
 本講義で取りあげる内容は、主に以下の通りである。

○日本語学・日本語教育学 I (10月〜1月)

1.日本語学
(1)品詞(2)格助詞(3)活用(4)人称(5)ヴォイス
2.日本語教育学
(1)いろいろな日本語教授法の紹介(2)コース・デザインと教材の紹介

○日本語学・日本語教育学 II (4月〜7月)

1.日本語学
(1)テンス・アスペクト(2)モダリティ(3)待遇表現
2.日本語教育学
(1)4技能(話す、聞く、読む、書く)の指導法について(2)誤用分析

(4)日本文学 I 、 II (NL100, NL200)

○日本文学Ⅰ(10月~1月)/日本文学Ⅱ(4月~7月)

日本文学史を概観した後、主に近代における日本文学(小説、随筆、短歌等)の講読を通して、表現や作品の背景を学ぶ。ジェンダーや異文化受容の視点からも日本文化を考える。

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