講座紹介

日本語教育方法論講座は、大学院の組織改編により、現代日本語学講座と共に2016年4月より「(人文学研究科)応用日本語学分野」となります。

日本語教育方法論講座は、その名の通り日本語の教育の方法を構築していくための理論的背景となる研究を行うとともに、それらの研究成果を応用し日本語教育の方法を開発、実施し、その効果と課題を明らかにする研究も行っています。理論的背景となる研究としては接触場面における談話分析、言語習得研究、学習者や教師のビリーフ構造の分析、学習者や教師のストラテジー研究などがあります。また、ICT(情報コミュニケーション技術)を利用した日本語教育方法の開発、談話分析やストラテジー研究の成果を応用した学習環境の提案を行い、その効果や課題を検討するために、教室における相互交渉分析などの研究など行っています。

授業カリキュラム

「日本語教育方法論概説」「談話分析方法論」において、日本語教育方法の理念と開発・運用能力を身につけ、「コンピューター支援日本語教育方法論」「日本語教育工学」において、主にICTメディアを利用した教材開発の手法、教育方法の習得を目指しています。

博士前期課程においては、上記のカリキュラムを履修することにより、日本語教育を俯瞰的に検証できる人材の育成を目的として、実践研究を中心とした修士論文指導を行っています。さらに、博士後期課程においては、日本語教育方法の理念の構築、学術的な検証に寄与する博士論文の執筆を指導しています。

主な就職先

博士前期課程修了者は、日本語教育プログラムの立案、運営、検証能力を活かし、大学を含む国内外の日本語教育機関、日本語教員養成機関、自治体、国際交流協会、NPO等の言語施策実施団体に就職しています。

博士後期課程修了者は、学術的に日本語教育の理念を構築、検証できる能力を活かし、研究者及び教員養成者として国内外の大学へ就職しています。同時に、施策立案、施行が行える人材として、行政機関、国際交流協会、NPO等の言語施策実施団体にも関わっています。

講義内容

コンピュータ支援日本語教育方法論 「CALL教材の評価、分析及び開発」

担当:石崎俊子

「日本語コンピュータ教材」を自分の手で作成したいと希望している人達のために、現教材を分析及び評価するところから始め、様々な種類の日本語CALL教材の作成を試みます。また、動画の撮影と編集を経て最終的に動画入りのコンピュータ教材プロジェクトを完成させます。

日本語教育方法論概説 「学習環境デザインの理念とその手法」

担当:衣川隆生

言語教育方法を立案する際の指針となる能力観、学習観、教育観を認知的アプローチと社会構成主義に基づいた社会文化的アプローチの観点から整理します。その上で学習者オートノミーの育成を視野に入れた調査手法、学習環境デザインを検討します。

日本語教育工学 「日本語教師のための教育工学の理論と教育メディアの活用」

担当:佐藤弘毅

教育工学の最新の理論を知り、その理論を活かしたICTの活用演習を通じて、日本語教師が授業の中で主体的に教育メディアを活用するための基礎知識を学びます。

談話分析方法論 「談話分析の実践と応用」

担当:俵山雄司

談話分析の論点を概観しながら、この分野における基礎的な知識と考え方を身に付けます。また、談話データを収集・文字化し、それを分析するプロセスを通して、談話分析の実践的能力を養成します。

研究紹介

石崎俊子

コンピュータの特性を最大に生かした日本語コンピュータ教材の開発をしています。また、コンピュータを用いた日本語教育における学習効果及び学習方法を分析し、更に優れた教材の開発に発展させることを目指しています。

衣川隆生

口頭発表技能、及び作文技能育成を目的とした教室をフィールドとしてアクションリサーチの手法をとり、学習者オートノミーを育成するための学習環境デザインのあり方を研究しています。

佐藤弘毅

ICTを用いて日本語教育をはじめとする授業および学習を効果的に支援するための基礎研究を行っています。電子黒板を活用した授業支援やコンピュータを介したコミュニケーション研究などに取り組んでいます。

俵山雄司

談話中の特定の表現と談話進行・構成との関係についての研究を行っています。その他、日本語学習者の言語運用に対する日本語母語話者の評価(あるいはその逆)を通して、評価基準やその形成プロセスに迫る研究にも取り組んでいます。